たかり屋じゃなかった
たかり屋と3日ぶりに顔を合わせた。敵が2日間ほど仕事休みだったからだが、たかられてからは初顔合わせ。「あー、この間はどうも」などと笑っているから、「どうも、ごちそう致しまして」とイヤ味っぽく言うと、ちょっと間があって「オレが払ったよな」などと言葉を返してきた。何をとぼけてるんだ、とばかりに「オレが払いましたよ」と声を荒げると「うん? オレ、酔っ払ってたか」。「はっきり、しゃべってましたよ。すいぶんテンションは高かったけど」と説明すると「じゃあ酔っ払ってたんだ。どうやって帰ったか、全然覚えてねえもん」と声のトーンが変わると思うや、おもむろに財布を開け始めた。
「いくらだった?」「いいですよ、もう」。昨日のブログに、たかり屋って書いてしまったから、金をもらうわけにはいかないのだ。でも「そうは、いかん」と1000円札を数枚、握らされた。「少しの時間でも、こういうのは気持ちが悪いからよ。借りは作りたくねえしな」。江戸の下町言葉、べらんめえ口調を残して、その先輩は去っていった。
たかり屋も47歳にもなれば、丸くなる。人のいい、物分りのいい、江戸のオヤジになっていた。
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