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2006年10月28日 (土)

日本一の瞬間に2本の電話

 4日ぶりに、東京に帰ってきた。夢のような札幌3日間だった。羽田から会社へ直行すると、現実に引き戻されたようだ。ホント夢じゃなかったのか、と思うと、わたしの顔を見た同僚、「あっ、あー、真ん中さん(なんて言わないが)、おめでとうございます」。こんな反応が、うれしい。夢じゃ、なかったんだ。ところが、2メートルを超えようか、という先輩が、「おー」と怖いひげ面で寄ってきた。「オマエ、昨日、ブログ、どないしたんか。まだ、更新しとらんかったやないか」。すみません。ノートパソコンは持っていったんですが、とても、更新する気力が沸きませんでした。もし、待ってた方がいたら、ごめんなさい。3日ぶんの観戦記です。

 札幌ドームは、すごい。野球観戦に行って、見ず知らずの人と、ハイタッチを交わしたのは、初めてだ。あれは初日、第3戦の8回、稲葉のホームランだった。打球がセンター方向に飛んだ瞬間、わたしがいた一塁側スタンドも総立ち。ホームランを確認した瞬間に、となりのお姉ちゃんと、さらにそのとなりのお姉ちゃんと、そしてすぐ前にいたオッサンも振り返って、手をたたき合わせていた。試合が終わった瞬間には、そこらじゅうの人と握手を交わした。確信した。この球場で負けるはずがない。

 素晴らしいの一言に尽きる。ピンチには応援し、チャンスには選手を後押しする。みんなの視線がグラウンドに集中している。特に、ピンチでの声援のタイミングが素晴らしいんだなあ。攻撃とは違い、誰が音頭を取るわけでもないのに、自然と拍手が沸き起こり、声援の渦が大きくなって行く。4戦の金村への声援なんて、なんて表現すればいいのか。ヒーローインタビューの場面では、思わず涙ぐんでいた自分がいた。

 老若男女なんて言葉じゃ足りないほど、ファン層も幅広い。わたしの隣にいた、ただ「盛り上がりたーい」お姉ちゃんもいれば、老夫婦(失礼)も数多い。子どもの数も、びっくるするほど。日本シリーズに子ども料金はないのに。赤ちゃんの姿もたくさん見た。障害者の方も、数多い。夫婦、カップル、友達同士に、わたしみたいな1人客も、予想以上にたくさんいた。千差万別のファンが、一つになって、ファイターズを応援している。球場じゃない、そこは劇場だった。

 それも、行きの地下鉄は午後3時半から通勤ラッシュ並みのすし詰め状態で、開門時刻を過ぎても、入場の列は前に進まない。グッズショップにも入店待ちの列。そんな、試合前から疲れる状態なのに、試合中は目いっぱいの声援を送り、試合が終わってからも球場を出るまで30分以上。さらに、地下鉄の駅ではホームに入るのにも改札前で止められる。やっと乗れた地下鉄も、すし詰め。わたしは、中島公園のホテルにいたからまだいいが、地元の人の家は、まだ遠いだろう。帰った頃には、疲れ果てるだろう。それでも文句一つ出るわけでもなく、次の日も、また球場は満員になっている。わたしが言うのもなんだけど、何とありがたい、すごい世界なのか。こんなファンの前で、負けるわけにはいかない。気持ちが選手に、伝わるってもんだ。
 
 金村のインタビューに涙したせいか、優勝の瞬間は冷静に見ていられた。っていうか、経験がないから日本一をどう受け止めていいか、わからなかったのが実情か。ところが、その瞬間に電話が1本。カミさんだ。「パパ、どげんなったと。勝った? ホント? わたし、××さんちに、おるっちゃけど」。本当に知らずに、たまたまかけてきたのか。「今から、胴上げ」と言うと「えっ、ああ」と電話を切った。今度はメールが1本。発信人はアドレスだけ。「ホンマによかったね。涙、涙かな?でも私が誰だか分からんのちゃう?」。…誰だ、大阪弁の女…。心を交錯する変な気分。

 そういや、試合前に電話が入っていた。上司だった。「アンタ、処分でっせ」。やっぱり、日本シリーズとはいえ、30年来のチームを追うためとはいえ、3日間は休み過ぎたかなあ、ひんしゅくを買ってるかもなあ。でも、処分?と思ってると本当だった。日本シリーズで取った休みが原因ではなかったが、「けん責」だか「戒告」と言われた。札幌に入る前の月曜日、仕事上の事故を起こしていた。でも、気がついていなかった。札幌に入った火曜日に電話で知らされ「えっ…」。事情聴取をされたことを、思い出した。そして木曜日に処分の決定。「こんな時に、すまんなあ」。大阪弁に、たたられているのか。

 メールの主は、2メートルの男だった。

 日本一になったんだよねえ。胴上げを見る自分が、妙に落ち着かなかった。

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コメント

cheezuさま

ホント、心が痛みますね。優勝を伝える紙面が、ああだとは。ヒルマンは辞め、小笠原は出て行き、岡島もそうなんでしょう。「解散」と書いてありましたけど、「空中分解」かもしれません。

でも、3年前には、何もなかったんですから。また、まっさらな状態から、色をつけていけば、いいんですから。北海道の、あの熱いファンになら、どんな選手でも、応えてくれるでしょう。熱しやすく冷めやすい、新らし物好きなんて、ことファイターズには、ないですよね。

投稿: 人生真ん中 | 2006年10月29日 (日) 05:40

道産子ドラファン さま、ありがとうございます。

わたしも、山口で同じようなことをしてました。
ラジオ大阪の近鉄バファローズナイターとか、クラウン戦は、福岡のKBCやRKBで聴いてました。なぜか、日本ハム戦をたまに放送する、たんぱストレートナイターを聴いたことも。プレゼントに応募したら、間柴投手のサインボールが送ってきて、ビックリしました。

巨人戦以外の試合の視聴には、苦労したもんですよね。CSで何でも見られる今からは、隔世の感があります。

中日ファンの方に、祝福されるとは、なんて幸せもんでしょう。でも、3戦4戦は一塁側で見てましたけど、ポツポツの中日ファンもいるんですね。3戦は真後ろに男2人、4戦は真ん前に、IBATAのユニホームを着た、お姉ちゃんが2人いましたから。ライトスタンドも、よく声が出てて、ビックリしました。ハイタッチをしたお姉ちゃんも「あっち(ライトスタンド)の方が、盛り上がってる」って、不満そうでしたから。森野の応援歌は、いいメロディーですね。

すみません、長々と。ホント、北海道の方には、感謝しています。

投稿: 人生真ん中 | 2006年10月29日 (日) 05:31

ナツパパさま。

そうだったのですね。「勝ったと? ホントに勝ったと」と、電話の向こうで言ってたような気がします。一緒に喜んでくれようと、したんですね。それを、「今から胴上げ」なんて言って。電話を切ったのも、気遣いだったんでしょう。

祝勝会、していただけるんですか。カミさんに怒られそうですけど。11月の第1日曜日、お祭りの後では、どうでしょうか。

投稿: 人生真ん中 | 2006年10月29日 (日) 05:19

優勝おめでとうございます!って私もファンなので変ですね。テニス友達、実家、お客さんからの祝福でバタバタです。今度の休みに主人と2人でゆっくりすすきので祝杯を挙げることに決定!だれか選手と会わないかな~
東京フレンドパークはいつなのかな~?

追伸
毎日のスポーツ新聞に心を痛めてるこの頃です。

投稿: cheezu | 2006年10月28日 (土) 14:18

日本一おめでとう!!!!!
私は道産子ですが、さまざまな縁もあって30年来の
ドラゴンズファン!かつて、毎晩のように、トランジスタラジオのアンテナを伸ばしては、はるかかなたの
名古屋から、かすかに聞こえてくる東海ラジオの中日戦のナイター中継を聞いていた日々。周囲は100%近くが巨人ファンの悲哀を味わってきました。今回、たしかに、中日が敗れたことは悔しいけど、道産子の一人としては、なにせ、長年苛められてきた、目障りな巨人ファンのほとんどが、ファイターズに鞍替えしてくれたことがと、にかく嬉しいということもありますが、ここまで地元に根付いてわずか3年で開花した道民球団ファイターズの優勝を、心から祝福したいというのが、率直な気持ちです!

投稿: 道産子ドラファン | 2006年10月28日 (土) 09:36

優勝おめでとうございます。
こんなことってあるんですねえ。
...あるから、この人生やっていけるんですねえ。
なんて、わたしも未だに感動の余韻に浸っております。

奥さまからの電話、奥さまは優勝を知って掛けたんですよ。
わたしの家内がメールで知られてくれました「勝ったー!!」って。
それで嬉しくてね....奥さまも興奮状態でしたから、夫婦愛は健在ですねえ。

で、真ん中さん、祝賀会、いつにします?

投稿: ナツパパ | 2006年10月28日 (土) 08:51

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